脱落組

 午後から雨が降るというので、午前中急いでスーパーに買い物に行った。車で行ったとしても駐車場で濡れるのが嫌なので降る前に済ませたかった。
 そんな中、珍しく人が道を歩いている。というのが、犬の散歩である。10分ほど運転する間に、5人の老若男女が犬の散歩をしている。田舎で歩いているというのもそうだが、犬を連れているというのもいつもより圧倒的に確率が高すぎる。中には2匹連れている。
 「人、いるじゃん」という感じである。土曜日ということもあって歩いているのだろうが、雨が降る前に散歩を終わらせようということかもしれない。
 久しぶりに道で人を見かけると、逆にどうしたんだ?と思ってしまう。人がいない状況に慣れてしまったのである。環境は恐ろしい。そしてどんどん人混みが苦手になっていくかもしれない。やがてスムーズに歩けず、スクランブル交差点で人にぶつかるかもしれない。(そんな心配はいらないか、大きなスクランブル交差点なんてないから)
 それでも電車で繁華街まで行くと、やたらと歩きにくい。デパートや地下街、地下鉄のホームやコンコースなど、都会の暗黙のルールなるものがなく、四方八方に人が動くからである。
 「まったく、もう」と怒って歩いていたのだが、ハタと気づいた。自分の歩くスピードが落ちているのである。人が四方八方に広がる以前に、かわす自分のスピードが鈍い。
 ああ、こうして脱落していくのである。そのうちに「チッ」と舌打ちされる日も近いか…。

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