若き日の現実

 納戸を片付けていたら、昔のアルバムがたくさん出てきた。小学校3、4年生までよく男の子に間違えられ憤慨していたが、今写真を見ると性別不明である。しかしスカートをはいているのに間違えられることもあった。さすがに小学校高学年から中学生にかけては間違えられたことはないが、本人の性格とは裏腹にボーイッシュで活発そうである。中学校の修学旅行の集団写真を見ると、恐ろしくセーラー服が似合わない。取ってつけたような感じである。高校も似たようなものであった。
 20代での職場の人たちとの写真が出てきた。昼休みに外で撮ったものである。今度は恐ろしく垢ぬけない。おでこがばーんと出ていて、髪がはねている。周りの人と比べてもどん臭い。
 そうか、こんなダサい20代だったかと妙に納得できた。20代の終わりには髪は背中まであって、恐ろしくもミニスカートをはいている。その下は厚手のタイツである。今より足も太いが、気にしていないところが、我ながら凄い。 
 昔の写真を見て懐かしく思うのは、周りに写っている人であって、自分ではない。自分は穴があったら入りたいくらいである。昔の職場の人の顔は覚えていても名前は忘れていることが多い。記憶なんてそんなものだから、同じ写真を持っている人で、私を「こいつ誰だっけ」と思っているかもしれない。
 あれから何十年も経っているのに、気持ちはあまり変わっていないというか、成長がない。容姿は衰え、あっちこっちに体の不具合を抱えて生きている分、年月が過ぎた。
 こんなことをしていたら納戸の片づけは一向に進まないと、アルバムを閉じたが、ため息はでるのであーる。

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