消えた地図

 年の初めの1月が行く。お正月があったとは思えないくらい遠い昔のような気がする。1か月前まで年越えの準備をしていたのが嘘のようである。ついでに今月は海外旅行にも行ったし、法要もあったので、これが同じ月の密度とは思えないのである。2月は逃げるらしいから、もっと早く感じるであろう。
 数日前の法事は、山間部に近いお寺なので、5日前に降った雪が解けないくらい寒かった。お堂の中は大型石油ストーブがついていたのだが、ほとんど意味をなさず、寒くてたまらない。靴下は二重履き、カイロをポケットに入れて、ズボンの下にはタイツを履き、ダウンジャケットを着ていたが寒かった。終わったときには冷たすぎて足の指の感覚がなかったし、外に出るとさらに寒く、車が濡れていて霙が降ったようであった。
 久しぶりに訪ねた檀家になっているお寺だが、道を忘れていた。どこから曲がるのか運転していてわからない。酒造メーカーの角から左へといわれても、それどこだっけ?である。不義理が積もれば道も思い出せない。頭の中の地図は途中から消えているのである。そして「なぜ遠回りするのだ?」と老親に言われる始末である。
 記憶が断片的に欠落しているのを感じたが、これが高齢者の思い出せない機序と全く同じではないかと思いながら運転していた。

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