ボケの封じ手

 先日、今年90歳になる伯母と話していた。足が悪く家の中でも歩行器であるが、独り暮らしである。本人曰く、歩行器は転ばぬ先の杖らしい。頭ははっきりしていて、経済や世界動向に関するニュースを毎日見ている。そういったニュースが大好きであるといっているので、世の中の動きにとても敏感である。この間も消費者物価指数と年金について語っていたので、強者である。そして新しい言葉もよく知っている。例えば、リモートワークとかウェブとかNISAとか。それでも本人はわからないことが多すぎてついていけないといっているので、驚きである。
 そこで考える、話が通じない老親と伯母ではいったい何の違いなのか。やはり興味の対象があることや好奇心であろうか。
 友人の90歳すぎの義母も独り暮らして、子供たちから施設に入るように促しても頑として聞き入れず、耳が遠いのを除けば頭ははっきりしているらしい。こちらは大谷翔平選手のフアンで、BSで野球中継があれば見て、ニュースのインタビューや雑誌のインタビュー記事を必ず読んでいて、追っかけ、いや今は推しというのか、現役ファンである。先日は大谷選手のポスターが欲しいといっていたと聞く。
 やはり好きなものこそボケ封じなのか、高齢者の最強必須アイテムなのかもしれない。

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