春遠からじ

 立春である。梅の花はあちらこちらで咲き始めているが、まだまだ寒い。厳寒の時期でもある。それでも春は近く、日も長くなってきた。
 そして考えるのは去年の今頃のことである。慌ただしく様々な手続きに追われて、段取りよくやっていかないと大変なことになるとバタバタしていた。粗大ごみの申し込みや、家電の引き取りや電気、ガス、水道、電話、インターネットなど、生活インフラの抹消だけでなく、仕事をしながら会社からのフェイドアウトも重なって奔走していた頃である。
 それを考えると今は牧歌的かもしれない。別の意味での忙しさはあるが、時間の追われ方が全く異なっている。1日の時間軸の中でばたばたしているのと、1週間、1か月と、いろんなことが交差しながら調整していくのとでは大きく異なる。
 社会に従属していないので、責任を問われることの範囲は狭いが、それなりに虚しいものがある。だからといってすぐに働きたいかといわれれば微妙なところだ。
 まもなく、本当の春が来て多くのことが動き出す。

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