暑中に思う

　昨日に続き、夏バテである。身体を動かさず、エアコンの効いた家の中で一日中いると、まあ体もおかしくなるであろう。なにも気象だけのせいではあるまい。
　夏が本来苦手である。（冬生まれだし。）海だ、山だと出かけるタイプではない。涼しいところでじっとしておきたい。一つは暑いことより湿度にやられているのだと思う。冬はあれほど求める湿度であるが、夏の湿度は思考停止に陥る。
　昔、カトリーヌ・ド・ヌーブが「インドシナ」という映画を撮るときに東南アジアに滞在したようだが、湿度があって肌が潤うと雑誌のインタビューで読んだことがある。まあ、そうかもしれないが、更年期も相まって、ベタベタ汗をかく者としては夏の湿度はありがたくない。
　スーパーまでの距離でもう根を上げている。呼気に入ってくるまとわりつくような空気が、食べることさえどうでもよくさせる。こうして夏バテは続くのである。