ずぼらの勝利

　パソコンラックを解体することにした。もともと自分で最初から組み立てたのでバラバラにすることは可能だと思っていた。
　ドライバーを準備して、さあ始めようと思ったらネジ山がプラスでもマイナスでもない。六角である。そういえば買ったときに六角棒レンチと六角スパナが付いてきたのを思い出した。たぶん捨ててないはず。自分の性格上、組み立て説明書とともに仕舞ったのではないか。
　取扱説明書を入れているというか、突っ込んでいる引き出しをひっくり返して探した。すでに捨ててしまった電気器具の取説もいくつか入っている。「とりあえず取っとけ派」だった頃である。そのあと整理したためしがない。
　そして見つけた。組み立て説明書とともにビニールでくるんだ六角棒レンチと小スパナが出てきたときには「よかったあ！捨ててなくて」と整理整頓のできない自分に感謝した。片付けの本には、取説は捨てて必要な時にネットから見ればいいとあったが、取説とともにレンチがあったので活用できた。解体後、不要になった六角レンチだがチャック付きのビニール袋に入れ工具箱にしまった。違う場面での使用があるかもしれない。そうしてまたものが増えていくのである。