名探偵ポアロと断捨離

 断捨離で一番手が付けやすいのが洋服らしい。2年間一度も袖を通さなかったものが多くなっている。家で着ている服は汚れてもいいようなものばかりで、ワンマイルウェアでもズボンやコートを着替えるだけで、働いていた頃の服はほとんど着ない。
 お気に入りだった服もほとんど着なくなった。そうこうするうちに流行も変わる。どんどん着ない服はダサくなっていく。
 タイトスカートやフレアスカートなど職場に着て行った服に賞味期限がやってきた。問題はスカート丈である。今時は長めのダボッとしたスカートが多いが、そんな中、昔のスカート丈はかなり短く感じる。
 姿見に映しながら履いてみた。サイズはどこも問題ないが、膝小僧がギリギリ隠れるくらいである。
 そこで名探偵の登場である。アガサクリスティーの「名探偵ポアロ」のドラマで、女学校に15、6歳に化けている24、5の女がいるのだが、ポアロはそれをあっさり見抜いてしまう。物を倒したふりをして、座ってテーブルについている女の膝を見ていたのである。「膝を見れば15、6歳かどうかすぐわかる」と謎解きをしている。つまり膝にはそれだけ年齢が反映されてしまうということだ。
 私の短めのスカートは傍から見たら「イタイ」のである。厚手のタイツを履いたとしてもだらしない膝は形を露わにしてしまうのである。
 うーむと悩みながらも6枚処分することにした。未練がましいが、どれも好きな柄で履きやすいし、しかもいいお値段もした。
 「今までありがとう」と執着とともに手放した。スカートは万事解決したが、断捨離の道は険しい。

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