信用してはいけない

 老親が都銀の通帳がなくなったといった。ゆうちょの通帳と一緒に鞄に入れて郵便局へ行ったら、都銀の通帳だけなくなっていると、出かけた翌日に私に言ってきた。あいにく土曜日だったので郵便局で通帳の落とし物がなかったか確認ができない。
 ゆうちょの通帳と銀行の通帳を鞄に入れる時に本当にどちらも入れたか、引き出しから出した時2冊あったか、3回以上聞いたが、家では2冊あって鞄に入れたといった。そうなれば外で失くしたことになる。
 結局、嘘であった。銀行の通帳自体存在しなかったのである。存在しない通帳を1時間半探し回った。ないのだから、ゆうちょと都銀の通帳をそれぞれ鞄に入れられるわけがない。銀行に通帳の紛失届をするために、印鑑は家にあるか聞くと「ある」という。キャッシュカードがあるというので、それを見たら証券カードである。そこで気づいた。都銀の口座は持っていないのではないかと。本人は勘違いだったとヘラヘラしている。
 2冊見たというのはまるっきりの嘘で「あったかどうかわからない」とか「鞄に入れたような気がする」というのであればわかるが、「入れた」と3回断定した。
 よって、年寄りの言うことをまともに信じてはいけない。平気で噓をつくからである。人から見れば笑い話だろうが、当事者は内容を順序立てて聞き取るだけでも大変で、笑う人にわかるまい。

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