ドロップアウトして

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 どこにも所属なしになって気づいたことがある。今まで自分の世界は広いようで狭かったなあと。無職の今が広いというわけではない。職を持たなくなって、職を持っている人に目が行くようになった。
 使い勝手がいいように取付工事をしてくれる業者さん、にこやかに励ましてくれる自動車学校の受付の人、売り場が分からないとその場所まで連れて行ってくれる店員さん、勝手口まで荷物を運んでくれる宅配便の人など、当たり前だけどそれぞれの職業の人がいる。自分もその中の1つを担っていたのだが、多くの人が自分の職に従事しているのを並列で見ながら、自分もくるくると動いていたわけだ。
 しかし自分がくるくると動かなくなると、他の人の動きがもっとクリアに見えてくる。簡単に言うと、自分はケージの中のハムスターのように、隅っこで角を背中にして様子を窺っているような感じである。何も背負っていないから、ケージの壁に背中を押し当てて、みんなと同じ土俵にはいないことを認識することで、反って他の人が際立って見える。
 働くことは所詮独りよがりなのかもしれないと思ったりする。従事することでそれぞれの世界観があり、それが複数あることで社会は成り立っているんだなあと思うと、脱落した今、ぼんやり眺めるのも悪くない。

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