ぶれるココロ

　探している時には見つからないものである。洋服でもバッグでも靴でも。そしてお金の持ち合わせがない時に見つけたりする。
　今は必要がなくなってから見つかったりするものがある。先日もPC用のバッグを見つけた。大きさ、軽さ、見た目、値段、ジャストミートである。しかし、現役でいる時間ももう残りわずかである。現役でなくなってから使うだろうかと考えた時、頻度はかなり減るだろう。売り場で何度も手に持ったり、開け閉めしたりして、名残惜しいが置いてきた。せめて数年前に見つかっていたら即買いであったはずだ。その場を離れながら生活自体が変わっていくんだなあとしんみりしてしまった。
　断捨離は今持っているものだけではないらしい。自分の生活スタイルに合わなくなるものは買う前から心の中で断捨離が始まるようだ。ふらふらとなんでも見て回るのが好きだが、自分の空想上のクローゼットに取り入れて、結局出してしまうものも増えた。時にエイヤッと試着してみるものの、「とても好きだけど、いらない」と矛盾を抱えている。
　何が必要で、何が不要かという買い方も大事だが、お金を使う醍醐味は生活必需品でないところにあると勝手に思っている。というわけであやふやな断捨離が続くのである。