花火のない街

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 先日テレビで長岡の花火大会の様子が映っていた。夜空に大輪の花を咲かせ、美しくきれいに正確に開いていく。
 時々、大輪の中でひゅるひゅると四方八方にとんでいく光が、じゅっと音を終わらせる様は二倍も三倍も花火を楽しませる。そして夜空に消えていく火がゆっくりと落ちていくのも味わい深い。遠くから映しているせいか、龍のように登っていく打ち上げ火のようすもよくわかる。長岡花火大会も久しぶりに開催されたようだ。
 比較にならないほど小さな田舎の花火大会も子供の頃は楽しみであった。中学生になると友人と出かけることができるようになって楽しかったのを覚えている。今では残念にも資金が集まらないので未開催のようである。田舎の産業が疲弊し商店街も勢いが全くなくなってしまったことが原因である。市内を通る川には中州があって打ち上げにはもってこいの場所もあるというのに残念である。中州を見下ろすように橋の上から仕掛け花火も見ることができた。
 今はあの頃以上に橋だけは立派に架かって歩道も美しく再整備されたが、日中でも歩いて渡る人はいないほど閑散とした街になっている。

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