成人の日に

 今日は成人の日らしい。らしいというのは、全く晴れ着を着た若者を見かけないからである。シティホールの前を車で通ったが、成人式の気配すらない。いったい若者はどこに消えてしまったのだろうか。
 40歳になったとき、2回目の成人式と言い、60歳は3回目の成人式とはさすがに言わなかった。干支もぐるりと回ったのだから、まあおこがましいわけである。
 成人式であるが、今は選挙は18歳からであるし、成人だからといってお酒とタバコがOKになるくらいであまり感慨深くないかもしれない。それでも親御さんにしてみればここまで育った感いっぱいであろう。
 私の20歳の成人式は最悪の極みだった。6時に美容室に入り着付けが出来上がったのは12時過ぎで、式典も終了し記念品の授与もなく、薄着で美容室で待たされて熱を出し、意識が朦朧とする中、写真館で晴れ着の記念写真を撮ったが、その出来映えは惨憺たる結果であった。考えてみればそれからの人生予告のようなものであった。
 それでも振袖は30歳まで着倒した。当時は「恥ずかしげもなくまだ着るのか?」という雰囲気があったように思う。それに比べ今はいい時代かもしれない。
 成人式に私自身のいい思い出はないが、それでも人生の節目である。あの頃に戻りたいかと聞かれれば、「いやいや、もうけっこう」とこりごりである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました