デザインの力

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 先日、在宅介護をやっている親戚を訪問した。数年ぶりに訪ねたのだが、家の中がすべて介護仕様になっているので施設のようであった。
 いたるところに手すりがあり、玄関には車椅子が置かれ、介護用ベッドと大型テレビが居間の中心にあり、タオルとティッシュペーパーが方々に置かれ、様々な配線だらけであった。室内の移動はキャスター付きの椅子で行い、高齢者をトイレや風呂に連れていく。普通の椅子やテーブルは介護に邪魔になるものは撤去である。
 当方の家もそうなりつつある。すでに玄関には介護チェアを置いている。はっきり言って見た目は良くないが、必要不可欠になっている。使いやすさと安全が重視されているので、少々の見た目やでっぱりはしょうがない。
 しかし、世の中には工業デザイナーもたくさんいるのだから、安全も使いやすさも見た目もいいものができるのではないだろうかと思っている。今からはどんどん年寄りが増えるのである。家の中で元気な世代も高齢者世代も快適に安全に過ごせる「場」をデザイン力で作り出すのは、これから必要ではないだろうか。
 家の中で介護用品が増え、住居から施設化していくのは、介護する方もされる方も気が滅入る。便利さだけで無味乾燥な「家」はストレスに繋がり心が休まらない。介護者の方も高齢化していて、自分で快適に変えようという力が残っていない。それこそ、新たな産業の創出だと思うがどうだろうか。

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