風景が変わる時

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 近所の通り沿いが工事をしていて、ずっと幌をかぶっていたが、それが取れると更地になっていた。更地になると意外に狭い土地だったことに気づく。ただ何があったか思い出せない。その道はおそらく何百回も通っているはずである。それでも思い出せないのである。人の記憶とはそんなものかもしれない。
 街並みはこうやって忽然と消えていくのである。それぞれの様々な思いで変わっていくのだから、いちいち待ってはくれないのである。そうなると意識的に保全しなければ街並みなんて残らないということでもある。便利できれいは大事であるが、特徴のない街になっていっている。しかし生活者の視点からは便利であることの方がいいのだろう。
 地方都市の郊外はどこも似ていてさほど変わらない。だから違う街に来ているという感じはすくないが、人が歩いてないというのも共通している。けれど大型商業施設の駐車場には多くの車が止まっているから、生活スタイルもどこもそれほど変わらないのだろう。
 巨大プラットフォームに飲み込まれた均一的で、味気ないものに若者だけでなく多くの人が飽きているように思える。これから先、観光地以外の土地は魅力のあるなしで人の集まりが変わって、街自体の活力が分かれてくるだろう。

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