郵便物の解読

 世の中ペーパーレス時代である。それはそれで結構な話ではあるが、高齢者は置いていかれる。
 先日もガスメーターの検針が人間の検針から取り付けた機械で送信されるシステムに変わったが、検針票もWEB上で確認することになった。サイトとIDとパスワードが封書で届いた。親には何のことかよくわからないらしいので、サイトをダウンロードして説明した。紙が郵送されないということも自分でネット上に見に行かなくてはならないことも、まあそれなりに理解できているとは思う。
 しかし、サイトからIDとパスワードを入れるのが大変なのである。数字の羅列で何桁もあるから入力するのが一苦労で、しかも入力に一生懸命になると、IDのところに続けてパスワードをいれたりする。ハードルが高い。これが老人だけの世帯はどうなるのだろうか。スマホやPCを持っていないとおそらく何にもできないと思う。そういう人には今まで通りの紙の検針票が送られてくるが、有料であり、その手続きも必要になる。
 先日病院の受付で待っていたら、新しく郵送された保険証がどこにあるかわからないという高齢者が何人もいた。「そんなもの見てない」という人も多かった。 公的機関から郵送されたものの重要度が分からないのであろう。老親も保険証はさすがにわかるが、それ以外のもので「意味が分からん」といって私に持ってくる郵便物もある。結局、年を取ると、誰かのヘルプが必要になる。認知症でなくとも。

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