進化の中で

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 移動する際、IC乗車券は便利である。特に旅先では運賃をいちいち確認しなくていいので楽である。
 殆んどの日本国内の電車やバスで使えると思っていた。ところが、先日の出張先のリムジンバスでは、現金オンリーである。バスの中では釣銭が出ないので両替してからの支払いとなる。千円札があってよかったと安堵した。
 現金しかダメであれば、大きなバス停には券売機を置いてほしいものだと一人憤慨していた。バスが信号で止まるたびに、ひとりまたひとり両替をする。その様子を見ながらふと思い出した。
 IC乗車券が現れる前はバスの中で両替をしていた。両替機のないバスの時代は小銭が袋に入っていた。もっと前には車掌さんが同乗していた。
 そうなのだ。一つ進むたびに「ああ便利になった」と実感していたのだ。便利さに慣れるともう戻れないらしい。
 誰かがピッと音を鳴らして降りて行った。ん?なんで?
 どうやらそのバス会社のIC乗車券だけは使用できるらしい。だったら全国版に展開できないものですかねぇ。

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