誰しも通る道

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 老いを感じることの一つに髪の毛がある。白髪になったり抜け毛が増えたりとありがたくないこと然りだが、髪質も変わる。細くなって勢いがない。毛根からへにゃっと生えているせいか、放物線を描くことなく、顔にやたらと貼りつく。一旦貼りつくと風にもびくともしないので、なびく髪とは異なり、別の生き物のように額に貼りついていたりする。実にまぬけ面である。だから正面から強風が吹いてくると前髪がとても気になるので、手櫛でなんとかごまかす。
 それを忘れてスーパーで買い物していたら、野菜売り場の鏡で己の姿が映ったとき、旗本退屈男の出来損ないのようにぴったり額に髪が貼りついていた。皮膚感覚はマヒしていたのか、おでこに何も異変は感じなかったのである。ダブルでショックであった。
 いったいいつからへなちょこ髪になったのか、嘆かわしい限りであるが「みんな通る道なんだよ」と美容師の先輩が教えてくれた。あーあ。

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