知らない街

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 先日、以前住んでいた所に行ってみた。ちょうど近くまで来ていたので少し足を伸ばして軽い気持ちで立ち寄った。 
 そこには5年ほど住んでいた。駅はときどき電車で何度か通り過ぎていたので、そんなに深く考えずに降りたのだが、ホームから改札までが様変わりして、出る方向を間違えそうになった。一階にはスタバが入っているし、おしゃれな蕎麦の店もあり、エスカレーターも新設され、全く別の駅になっていた。
 駅前のロータリーを見て方向はわかったので、以前住んでいた家まで歩いてみることにした。単純な道筋であるが、一瞬迷ってしまった。駅からは歩いて7、8分である。道が変わったわけではなく、周りの建物がほとんど変わっているのだ。歩いている方向に自信が持てない。大きな杏子の木のあった家もないし、マンションができていたり、新築の家が建っていたりで、不審者のように周りを窺い歩いている。
 四つ角に出ると、そこには中華料理店が依然と同じようにあってホッとしたが、やはり店構えは変わっていた。よくよく考えるとあれから20数年経っているのだ。
 家はあったが、昔の一軒家の面影はなく、アパートのようになっていて、気さくで親切だったお隣の家は無くなって美容室になっていた。
 この街の住人でなくなってから久しい。懐かしさも何もない見知らぬ街になっていた。いつか、今住んでいるところもそうなるのだろうな。

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