家のリフォーム工事を行っているが、いろいろ見ていると面白いことがある。壁や棚を外してしまうと「へえ、中はこうなっているのか」と感心することもしかりである。今の家のような断熱材は入っていない。その代わりに土壁になっているらしいが、断熱・吸湿も兼ねているから昔の壁も侮れない。
工事には大工さん以外様々な人が関わっている。ガス、水道、壁紙、電気、シンク、建具といろいろな専門業者の人がやってくる。お互い顔見知りなのか、ツーカーである。狭い場所で、床に潜っていようが、壁をぶち壊そうが、それぞれ自分の仕事を始める。暗黙の了解があるのだと思うが、絶妙に人の仕事を妨げないプロ集団である。
見たことのない機器も登場する。レーザー光線の出る水平器である。置くと部屋中に水平ラインが青く光る。しかし、壁を取ったり、新しく板を貼ったりするのは人間である。微妙な凹凸を真っすぐな壁に変えていくのは職人技で、部分部分で使うビスも異なっている。
大工さん同士の話も聞いていると面白い。どこまでが世間話でどこからが仕事の話か、まったくわからないが、それで十分業務内容が通じている。で、なんだか楽しそうである。
どうしようかなと思ったことが起きると、自分の意見を言って相手の意見を聞く。そしてどちらがいいか判断できないときには工務店の親方がやってくる。そして喧々諤々の末、よくわからないが方向性が決まっている。親方のいうことに納得がいかないときには、さらに自分はどう思うかはっきりいう。と書くとオフィシャルな会議を思い浮かべるかも入れないが、方言丸出しの言いたい放題で漫才のように随所にオチがある。聞いていると愉快で笑ってしまう。システマチックには程遠いが、本来の職場の姿かもしれない。
コメント