昼休みにATMに行くと、人が並んでいた。あちらこちらでATMが減っているからかもしれない。会社の最寄りの駅のいくつかのビルにあったものもごっそり減ってしまった。一つの場所に10個くらい並んでいたので、数個ぐらい残してくれてもよさそうなものの、全部撤去である。現金の補充や引き取りに手間がかかるからだろう。ましてや今はキャッシュレスの時代で、数字が右から左に移動するだけである。
便利といえば便利なのだろう。現金で払う意味がわからないと若者は言う。ポケットにはスマホがあれば電車にも乗れるし、ご飯も食べられる時代である。札や小銭をじゃらじゃら出している時代はもうなくなるのだろう。
私は偏屈なので、決済方法がデジタルだけになるのは嫌である。いろいろな方法があってよいと思うのだが、それだけではない。いつか水道の蛇口のようにキュッと誰かに閉められないとは限らないからだ。
高齢の女性のATM使用がなかなか終わらない。書類を見ながら一生懸命入力しているのだが、日焼け防止のような手袋をして画面をタッチしているから、反応しないのである。やがて自分の後ろにできた列に気が付き、取りやめてしまった。しかもカードを入れたまま。後ろの女性が「カードを忘れていますよ」と声をかけていた。 店舗がなくなり、ATMがなくなると、高齢者はもうどうしていいのかわからなくなるだろう。他人ごとではないなと思って後ろの方から見ていた。
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