廃棄する時期

　やる気のスイッチは壊れたまま、月曜日を迎える。憂鬱なことが多いせいか、頑張る気になれない。「…ねば、ならない」という強い意志はどこかへ行ってしまって、「そんなのどっちでもいいじゃん」的発想に陥っている。
　最近、違和感に思うことが増えて、自分の素直な気持ちに従えないことが多いせいかもしれない。兎角この世は住みにくいらしい。
　先日、昼休みに会社の机の引き出しにある名刺フォルダーを引っ張り出してシュレッダーにかけた。フォルダーは４冊あって、両面にびっしり入っていた。ジャンジャンシュレッダーにかけながら、もう会社を辞めた人、偉くなってすでに名刺が古い人、亡くなった人、誰だったかわからない人など様々な人がゴミとなっていった。空になったフォルダーも３冊捨てた。フォルダーに空きができても、もうこれがいっぱいになることはないからだ。
　シュレッダーをかけながら、あの頃、あんな仕事をしてなあと懐古もしたが、何かの役に立ったかといえば、実感がない。所詮この程度かと思いながら、捨ててしまえばスッキリした。おそらくこれが本当の断捨離なのだろう。 机の中には、まだ理論武装用に作ったファイルがたくさんある。これもそろそろ廃棄時だなと思ったところで、昼休み終了のチャイムが鳴った。