冬支度の前に

　急に冷え込んできた。なのに自宅には扇風機が鎮座している。そろそろ仕舞うかと重い腰を上げた。専用の段ボールはあるので箱の内側に記載された収納方法通りに入れればよい。
　個人的に電化製品が壊れるのがとても嫌いだ。好きな人はいないと思うが、嫌いゆえにメンテナンスを怠らない性分である。壊れてまた買うという作業の金銭的問題もあるが、チョイスが苦手だからである。
　というわけで、羽も外して雑巾で丹念に掃除する。「また来年ねぇ」とふんふん♪磨いていたら、ふとシールに気づいた。「設計上の標準使用期間」とある。耐用年数である。
　え？こんなに短い、そして迫っているではないか。 この扇風機を買ったときの吟味に吟味を重ねた苦労を思い出す。小さい、高機能、仕舞いやすい、うるさくない、価格まあまあとうんうん悩んで買ったのだ。ついこの間のようではないか。
　絶対、耐用年数超えてやる！変な闘志が燃え上がるのであった。