ヒーローになるとき

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 まもなく冬季オリンピックも終了する。ルールがわかっている競技がほとんどないので、行き当たりばったりでテレビを見ていた。
 同じように昔、ルールがわからないままウインターXゲームをたまたま見たときに、初めてショーンホワイト選手の滑りを見た。そこには他を圧倒するレゲエミュージシャンのような髪型をした20代初めの青年がいた。ハーフパイプの競技を見たのも初めてだったので度肝を抜かれたのを覚えている。ヘルメットやゴーグルをしていても彼とわかり宙を舞う。「はあ、すごい人がいるもんだ」とまさしく王者にふさわしい。
 そのホワイト選手が今回のオリンピックで現役引退した。ちょうど最後の滑りを(録画かもしれないが)たまたまテレビで見た。3回目は失敗に終わり4位となった。見上げた競技台と胸に抱えたボードの姿が印象的で、涙目ながらも笑って去っていった。ひとりの絶対王者の時代が終わった瞬間だった。
 ピークは一瞬プラトーになったとしても、下りは確実にやってくる。新しい人が次の時代を作っていくんだなとちょっとだけ感傷的になった。 すったもんだの中でも自分にできることを淡々と行っていく人こそヒーローなのかもしれない。

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