一度壊れると直らない。いや治らない。何の話かといえば、骨折である。見た目には骨はくっついているし、日常生活に支障が出ることもあまりないが、あまりないだけである。やはり前とは歩き方や疲れ方が明らかに異なってくるし、妙な足のつり方をする。
「あんた、前の足じゃあないよね」と自分の足に対していったとしても「・・・」と無言である。
これは骨折に限ったことではないと思う。歯の治療だってインプラントを入れたり、ブリッジをやったり、親知らずを抜いたりすると「前の歯じゃあないよね」となる。
もしクローンで純粋培養されて怪我も事故もなく育ってきたら、骨も曲がらず、あざも染みもなく、視力も良くて、歯も丈夫で、今の自分とはかけ離れているだろう。
あっちこっちメンテナンスしながら不格好でガタピシの自分とまっさらな自分を比較しても意味はないが、ズタボロなりに一生懸命生きている感じはするかなあ。
「・・・」の無言の後に「それでもあなたです」といわれているような気もする。
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