会社帰りに歩道で紳士靴の靴底が落ちていた。ビジネス街の広く、ゴミもないきれいな歩道で、左足の靴底が見事に完璧に落ちているのである。歩いているうちに剥がれたとしか思えないが、それを見て「がはは」と笑ってしまった。
というのは前の週に、浅田次郎氏のエッセイで靴底が剥がれて、見た目は靴を履いていても底がないので靴下で歩いていたという話を読んだばかりだったからである。浅田氏の靴はブランド物の高級なものだったようで、それでも剥がれ落ちたらしい。ウレタンのくずをまき散らしながら歩いていたという。
私も旅行先で靴が壊れたことがある。しかも2度。同行していた知人は「またですか」と呆れていた。履き古して壊れたのではない。旅行に行くので履きやすいもの→いつもは履かないから傷も汚れもない→安心してチョイスする→経年劣化していることに気づかない、となって旅先でひどい目に合う。ひどい目に遭うのは連れである。靴を買ったり、修理したりと無駄な時間を費やしてしまう。(あの時は許してくれ(^^;))
やはり靴は仕舞っていてはダメなのである。履いて休ませて手入れして履いて、が一番長持ちなのである。
件の男性はどうしたのだろうか。浅田氏と同じように靴下で歩き去ったのであろうか。すぐ前には長い横断歩道があるので、点滅して走って靴底だけ忘れたか…。
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