快適歩行

　雨が降っていると、出かけるのが億劫である。しかし、仕事以外でも出かけねばならないこともある。
　天気予報では一日中雨だといっていたので、長い傘を差していくのは決めていた。玄関先で晴雨兼用のパンプスを出した。これもびちゃびちゃになるなあと思ったが、「待てよ」となった。そうだ長靴を履こうと思いついた。ズボンをインしてブーツのように履けばいい。年に数回しか登場しないお気に入りの長靴である。ここぞとばかり履くことにした。結構、底が厚いので重いが、まあ濡れる煩わしさはなくなる。
　というわけで、お気に入りの傘（これも長傘なのでたまにしか登場しない）と長靴で表に出た。肌寒いのでスプリングコートを羽織った。
　快適である。思った以上に煩わしくないのである。重いのも忘れてじゃんじゃん歩ける。飛距離ならぬ、歩距離が伸びる。伸びるのでちょっと遠い喫茶店にピットインしたりする。雨が降り続くので長靴でお店に立ち寄っても変ではない。
　歩道を歩いていると雨がひどくなり始めたが、何も気にならない。長靴は偉大である。