向かう先は何処

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 人生100年時代というのが、当然のように言われるようになった。しかしこの言葉に嬉しさを感じる人がどれだけいるのだろうか。どちらかといえば「困った」という人の方が多いかもしれない。そこには元気で楽しく暮らしている自分を想像しにくいことがあるのだろう。
 宇宙でいえば100年なんて星の瞬きである。それでも生きている間の100年、80年、60年はかなりの時間である。その時間を生きている間に歴史に残るような災害や事故や事件に遭遇する。不思議なことにその事象の大きさに気づくのは過去の話になったときである。渦中にいるときはその大きさが、その影響力がわからない。
 最近、どこかに掲載された答えをなぞっているうちに、いつのまにか自分の出した答えのように思い違いをしていないかと思う時がある。考えることをやめていることにも気づいていないのではないかと恐ろしく思う。
 誰かの答えの上に乗っかって、どちらに向かっているのかも分かろうとせず、船のエンジンもオールも方位磁石も、そして救命胴衣も取り上げられていることに気づいていない。そんなことにならないよう、目を覚まさなければならないと思う。

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