Then＆Now

　YouTubeをダラダラ深夜に見てしまうことがある。どうでもいい内容をぼーと見ていると、ハリウッド女優の今と昔の顔の変化の写真が上がって来た。1980年代に活躍した女優たちなので、なじみが深い（個人的には東洋人の俳優の顔はちっとも覚えられないが、西洋人の俳優だと端役であっても判別がつくという変な特技があって、覚えようとしなくても顔と名前が一致する）。
　今昔を見ていて思ったのは、若い時と今とでは別人のようになっている人と、昔の雰囲気そのままにいい年の取り方をしているに大別される。中には整形しまくったのだろうなという人もいて、顔のバランスが崩れて妙に怖い。40年くらい昔の整形だって、当時は最先端だったのだろう。それでも気の毒に思える方が結構いる。
　やはり参考にしたいのは、いい年の取り方をしている人である。目尻には皺がいっぱいあって、ちょっと肉付きもよく、若干のたるみもあるが、いい意味でのマダム感がでていて上品である。目指すのはここであろうとにわかに思ったりする。
　少し前にシンガーソングライターの女性歌手がテレビに出ていてたまたま見た。齢は自分よりいくつか上である。滅多にメディアに出て来ない彼女だが、若くて美しい。けれどなんか違和感があった。顔のアップで分かった。鼻と口の周りをいじったようだ。若い頃のアップの写真と明らかに異なっている。「ああ、ブルータス、おまえもか…」
　老化に抗いたい気持ちは女性ならばあるだろう。ゆえに気持ちはわからないこともない。しかし、そのままならば、いいマダム感が出ていただろうにと残念に思う。