高齢者の買物

 高齢者に優しいといわれるスーパーマーケットが駅の近くにある。総合病院にも近いのでそこそこ賑わっている。
 レジ係は中年女性であり、野菜等の運び出しや陳列は70代後半の方々が働いているので、従業員の年齢層もかなり高い。そんなわけでスーパーにやってくる高齢者にも親切である。
 私のレジ後に80代ぐらいの女性が並んでいたのだが、支払う段になって、レジの人に「防虫剤の大きいものはあったか」と聞いているので、レジの人が「あると思いますよ」といって取りにいった。そして持ってくると高齢者の女性は「2ついるんだけど」というと、またレジの方は走ってもう一袋持ってきた。するとまた「ゴキブリ取りもあったら」というのでまたレジの人は走って取りに行った。そして清算になってポイントカードがあったはずといって財布の中を探す。そしてポイントカードの束を出して「どれかだったか…」となり、レジの人が「見てみましょう」といってポイントカードを取り出してあげた。「ポイントを使いたい」というのでレジの人が「足りないので残りは現金でいいですか」ときき、精算機の前に行ってボタンを押して「お金はここに入れてくださいね」といい、小銭がなかなか出せないようなのでがま口財布から小銭を「10円、20円」といいながら取り出して支払っていた。
 私は自分の買物を袋に詰めながらちらちら見ていたのだが、後ろが渋滞したのは言うまでもない。しかし、後ろの人も文句も言わず待っているか、違う列に並んだ。このような高齢者はこの人だけではなく、よくある光景である。
 時間がかかるようであれば、せめてあらかじめカードは出しておくとか、精算時ではなく清算前に欲しいものがあるなら聞いておくとか、そんなことは出来ないらしい。
 レジ係の人はイライラすることもなく対応していたことに頭が下がる思いである。日頃高齢者と接していると、ため息が出るようなことが多いが、いずれ自分もため息をつかれる側になるのであろう。

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