果物格差

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 スーパーに買い物に行くと軒先の段ボールに熊本産の甘夏がゴロゴロと入っていた。大ぶりである。横に伊予柑もあったが、大きさに惹かれて甘夏を買った。甘夏は皮が硬いので剥きにくいが、薄皮はきれいに取れるので食べやすい。柑橘類の専用皮むき器があるので難なく剥ける。そのプラスチック皮むき器も黄色に染まって来たので、いかにこれで剥いて食べているのかわかる。「ムッキーちゃん」という名の皮むき君は大活躍である。
 子供の頃は酸っぱくて少し苦い甘夏が好きではなかった。伊予柑やポンカンやオレンジは好んで食べたが、甘夏には眼もくれなかった。好んで食べる人の気が知れなかったものだ。しかし、今では食後にちょっと食べるとすっきりする。この苦みがいいのである。いやはや大人になったな、などと独り言ちてしまう。
 スーパーの店内に入ると、きれいに棚に並べらえた「あまおう苺」があった。さすがに別格扱いである。値段を見てうなってしまった。フルーツ格差である。 買物かごに入れた甘夏は、他の野菜を入れてこっつんこしても平気である。そんな粗野な果物が旨いと結論付けてやせ我慢している。

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