言葉の壁

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 地元に帰って以来、方言丸出しでしゃべっている。しかし自身としては少しばかり違和感がある。自分で意識してわざと方言を使っているときがあるからである。
 これは30年前に上京した時に意識して標準語をしゃべっている感覚と似ている。地方の言葉と標準語のバイリンガル?なので使い分けが一応できる、と思っている。今では意識する言葉が逆転してしまっている。
 言葉のイントネーションを意識するようになったのは小学生低学年の頃である。転校してきて国語の教科書を音読すると、クスクス笑われていたのである。しかし私からすると、クラスの子が読む方が変だったのである。どっちが変なのだ?ということでテレビドラマの役者のイントネーションをよく注意して聞いていたら、どちらも変だということがわかった。転校前の言葉も転校後の言葉も方言に引っ張られたイントネーションであることに気づいた。そして中学生になると、方言をほぼほぼ標準語にトランスレーションすることができるようになった。
 だから上京してもほとんど困らなかったが、同郷の知人で本人は標準語のつもりでしゃべってもどこかへんてこりんな言葉になっていたので「すぐ出身がわかるらしいのよね」と不思議がっていた。
 しかし、今、私の言葉もへんてこりんになっているかもしれない。標準語をしゃべっているつもりでも「地方出身ってわからないね」と他人に言われない限り、自分では気づきにくいのである。

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