昨日、求人情報の話を書いて思い出したのだが、20代の終盤、転職活動をしていた。今から30年以上前の話である。
その時の面接が今では考えられないほど酷い会社が2つあった。一つは「その年で仕事探してるんだ。もう30歳近くなると嫁にも行けないから正規の仕事探しているんだろうけど」と言われた。大手の子会社での話である。今ならセクハラであろうが、ハラスメントなんてまだ言葉が出回っていないときである。まだ若かったこともあり凹んだが、よくよく考えてみるとロクな会社ではない。落ちてよかった。
もう一つは面接と一般試験であったが、あまりに面接が威圧的で、出身校をあからさまにバカにされたので試験は適当に流した。とある大学の研究機関での話である。すると試験後、ボケ茄子呼ばわりされたが、翌日「採用」の電話が秘書からかかって来た。丁重にお断りすると秘書が「本当にダメでしょうか」と半泣き声である。採用を断る人が多いのだと推測した。ここもロクでもないところと判断したので、心の中で「絶対断る」とさらに誓った。
悪質な面接の経験は、凹みもするし自分が無価値にも思えるが、時が経てば不思議と図太くなる。世間にはいろいろな人がいるのだということを見せてくれるし、その会社、その研究室の末路を知れば「ああ巻き込まれなくてよかった」ということもある。そう意味では意外に、なるようになって上手くいっているのである。
若い時には振り回されてなかなかわからないが、年を重ねると厚かましくなって過度な心配はするだけ無駄とわかってくる。そのあたりの脱力感がシニアのいいところかもしれない。
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