危険度のアップ

 危険なことを同じシチュエーションで何度も繰り返すのははっきり言って老化である。
 老親が切れなくなったカッターナイフの刃を折るのだが、それをわざわざ絨毯の上でやって、折った刃をどこかに飛ばしてしまう。
 刃を安全に折るための道具を自分で持っていると豪語するにも関わらず使わない。机の上でやらず、柄物の絨毯の上で座り込んで折る。
 以前も同じことをやって刃がどこかに飛んで探すのが大変だったようであるが、また繰り返した。私に言わせれば「バカじゃないのか」である。
 小さい刃なので、見つけにくい。這いつくばって探したがわからない。しょうがないので掃除機で辺り一面を吸い取ったが、吸い込む音がしないのでどこかに刺さっているままかもしれない。まわりにある本や新聞、座布団、ラックなどすべてひっくり返したが見当たらない。
 諦めた時、きらっと光った。ようやく刃を見つけた。
 やらかした本人は自分の部屋で、落ちた刃を探すのをとっとと諦めて、またカッターナイフを取り出して何かやっている。
 私に言わせれば「バカじゃないのか」である。もう二度とやるなといったが、たぶんやるだろう。カッターナイフを隠すことしかできないが、またどこからか持ち出して同じことをすると思える。
 高齢者と暮らすということは、こういうことが頻繁に起こる。ガスの消し忘れ、水の出しっぱなし、割ったガラスの拾い忘れもよくある。 一緒に暮らす者への危害がマックスになったら、もう施設に入れるしかないと思う日々である。

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