勝手な振る舞い

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 出張でホテルに泊まっていた。同じホテルに20人くらいの男性の団体客、おそらく70代後半であろう方々がいた。どういうお仲間かはわからないが、同級生っぽい。
 ホテルのロビーを通ったとき、やたらと声が大きく騒がしいのは彼らである。20人全員が一斉に別々の話をしているのではないかと思えるほどフロアに響いている。
 極めつけは、朝食会場である。バラバラやってくるのは結構なのだが、レストランの人が案内する前に勝手に座って仲間を誘導している。メニューや飲み物の説明をしているレストランの人の話を聞かないので、質問が今説明したことになっているが、パンやご飯やみそ汁のお代わりの話はきっちり聞いている。
 まわりからみればはた迷惑な老人集団である。けれど彼らは楽しそうである。バカげた話をしながら笑い、数十年前の力関係そのままにパシリがいたり、気難し屋がいたりするようだ。ホテルの人には困った人たちであるが、ある意味人間味に溢れている。
 傍若無人に見える振る舞いも、黙ってレストランを出ていく人より「うまかったなぁ」と口々にいいながら仲間たちと出ていく方が温かみを感じるのは、自分もやりたい放題のそっち側に入って来たかもしれない。ぴえ~。

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