丸い背中

　なんとかウォーキングを続けているが、朝起きた時のモチベーションは低いので、まずはそこから気合を入れなければならない。
　歩き出すと、肯定的になれるから不思議である。黒のマウンテンパーカーにグレーのパンツ、ツイードの帽子をかぶって歩いている様子は限りなく怪しい。
　そんな中、いろいろな人とすれ違う。出勤している人からウォーキングしている人まで年齢もバラバラである。裸眼で歩いているのでウォーキング仲間（勝手に仲間にしているが）が正面から歩いて来てもある程度の距離にならないと男女さえわからない。男女が判明すると、なぜかあまり見えていないくせに、どのくらいの年齢の人かわかってしまう。ウォーキングウェアがどんなに若者チックであっても「あっオジサン」「あっオバサン」と即座に見破ることができる。だぼだぼッとして暗いウェアで歩いていても20代だね、とか判明する。
　どこが違うのかジロジロ後ろから観察した。オバサンはやや前かがみで急ぐ割にはスピードはでていない。また足も上がっていない。近づくとダボダボウェアであっても背中が丸いのがわかる。
　人の振り見て我が振り直せである。自分も急いで歩くと胸を張っていないのがわかる。人からみれば私も立派な高齢者ウォーキングウーマンである。いかんいかんと思いながら歩く日々である。