中途半端なアナログ人間

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 ガステーブルがリフォームで新品になった。点火して、弱火にしたり強火にしたり料理に合わせて調整していたが、今時のガステーブルはスマートである。この場合スマートとは賢いということであるが、お陰で人間はバカのままでいい。
 グリルは両面焼きで15分経ったら自動で消えるし、焼けたらピーピーと音がする。普通のコンロもデフォルトが120℃で、設定を変えない限り高温にはならない。いろいろなモードもあって煮込みのときなど設定ができるらしい。
 しかし使い勝手がいいようで、面倒である。性能を覚えきれないのである。火の加減を見ながら調理してきた者としては、スマートガスレンジと自分の感覚がずれている。お湯が沸騰したり、鉄のフライパンが高温になるタイミングが遅いのはデフォルトのせいであろう。温度モードをかえてみたが、やはり信用されていないのか、高温の時間が短い。まあ、安全といえば安全にできているのであろう。
 マッチを使いガス栓をひねって火をつけ、空気の量を調節していたガスコンロ時代を知っている者としては、安全モードがありすぎて、逆にガスの恐ろしさを理解しずらい。 まあ、なんだかんだといっても便利には勝てない。それでも昔、二層式の洗濯機から全自動に変えた時、本当にちゃんと洗っているのかと、全自動洗濯機の洗う様子をしばらく観察していたことがある。疑い深く、新しいものに素直についていけないアナログ人間だと自覚している。

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