ケチが導く知恵

 かなり前に購入したブランドのバッグがある。イタリアから職人さんが来てデモンストレーションしているのを見て衝動買いした思い出があり、大事に使っていた。
 ところが、バッグの底についている複数のスタッズが割れて取れてしまった。ゴムのようなプラスチックのようなスタッズはそのブランドの特徴でもある。底以外はどこも悪くなく、傷もなければ、未だに艶も保っている。
 そこでショップに持ち込んで修理することにした。ショップの店員さんに「かなり前のものなので部品がない可能性がありますが、イタリアに問い合わせしてみます」ということだった。一週間後、返事が来て、すでに部品がないので修理不可ということだった。ショップの人も「きれいにお使いなので残念です」といってくれたが、なんとかならんもんかと自分で修理を考えた。
 ホームセンターに行って代用品になるものを探した。シリコン栓みたいなものを差し込むことを考えたが、外側のスタッズが取れた穴からいれて落ちないようにする方法が思いつかない。ふらふらして部品コーナーを見ていた。そこのホームセンターはプロ用の部品がたくさんあって、開店もプロに合わせて朝の六時半である。何かないかとみていたら「リベット」をみつけた。しかもプラスチックである。大きさも穴から抜けないが、バッグの底の裏側でどうやって止めるかが問題になる。シリコンのような柔らかいものをねじ込んでリベットのピンを固定する方法はないかとまたウロウロして、角のぶつけ防止のシリコンのスポンジが目に入った。弾力性があって柔らかい。それをリベットのピンの方につけて穴からねじ込み、バッグ底から押しピンのように固定する方法を思い付いた。
 実際に家でやってみたらうまくいった。リベットは1袋6個入りである。試しに買ったので不足分を買い足しに行った。ところが、1袋足りない。スタッズは全部で24個もあるのだ。取り寄せしてもらうことにした。
 修理の道は長いが「ケチ」いや「チエ」の勝利である。しかし元のスタッズはオレンジ色で、リベットは白色である。まあ些細なことは気にしないでおこうっと。

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