ぶらぶらと日常を離れて

 ここ2、3日、老親介護を人に押し付けて出かけていた。自分が薄情なのはわかっていたが、ちっとも親のことを心配するどころか、「よきにはからえ~」である。そうでなければ、リフレッシュなどできないからでもある。
 わかったことは、独りでいることの大切さである。家族がいてくれることのありがたさもあろうが、独りのありがたさもある。もともと偏屈に生きているので、人と暮らすことは極めて難しい。
 そんな私が介護をしているので、かなり自分に無理がある。家族であろうが、人に合わせる生き方をやめたいとつくづく思った。
 掃除も洗濯も炊事も全部自分のためにやり、家族の分は「ついで」と考える。自分が壊れないためにも、いちいち周りの状況に反応するのもやめた。
 ひとりでぶらぶら歩きながら、寂しさも悲しさも不安も心配も何もなく、すべてが客観的に見えた。「まあ、こんなものだろう」と思える。お陰で酷い雨の合間をすり抜けた行程であった。
 家に戻ると、座る間もなく、介護のおさんどんが待っていた。状況がよくなったりはしないが、まあなんとかなるだろう。「なんとかなる、なんとかする、なんとでもなる」が信条である。起きてもいないことを考えてもしょうがない。未来を憂いても、その通りの未来がくるとはかぎらないし、その未来まで持ちこたえているかなんてことは誰にもわからないからである。
 旅先でなんとなく手に取って4冊の本を買い込んだ。しばらくは読書タイムを設けることにしよう。

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